2017年7月20日木曜日

ミルトン・エリクソン論文全集を読む 201日目


                                                                                                                            
 
  普通にコーチングとかファシリテーションをやる時は、

  ミラノ派家族療法を使うのが一番落ち着く(笑)。

  

   <ひとりごと>




はじめに

 備忘録として、



 お正月から、ミルトン・エリクソンの論文全集『The Collected Papers Milton H. Erickson』[1] を読んでいる。読み方のルールはここで書いた。

 201日目について書いておきたい。 
 
劣等感を正す

 「Correcting an Inferiority Complex(1937-38)」著者はミルトン・エリクソン。出版されなかった原稿。

   クライアントは29歳の男性の事務員。自分で心理療法を必要としており、かつ必要としていないというアンビバレントな状態になっている。精神科医が自分に多くの時間をかけてくれるのはよいが、自分に多くの時間を使うよりは、もっと劣っている人に多くの時間を使えばよいではないかと思い、すぐ治療をやめて次の医師を求めてしまう。

 そんな感じでエリクソンのもとへやってくる。劣等感に苛まれているが、これをエリクソンがどのように取り扱ったのかが読みどころ。

・・・・・・・・・・・


 
随考

 ―― 6分間のミラノ派家族療法のセッション ――

   Youtubeにミラノ派家族療法のセッションが上がっていたので見てみた。提供は、米テネシー州にあるリプスコム大学。

 こんな感じでコーチングやファシリテーションするのが個人的な好みだ。理由は、直線的因果関係をベースに造られた自己啓発手法のように相手の言葉の揚げ足取りをするような感じにはならず、中立的な視点から間接的にあれこれ示唆することでクライアントの認識や行動の変化を促すことが可能だからだ。日常や仕事の場面でも怪しくない形式で使える。

 系統的には、ミラノ派は、エリクソン→MRIの後にくるイタリアのパラッツォーリらにより体系化された家族療法だ。第二次サイバネティクスの円環的因果関係の枠組みに即した技法がミソだ。自然とクライアントに円環的因果関係が根底にあるベイトソン風のシステム思考ができるように支援して、自律的な問題解決を促しているようなところがある。円環的質問を使うので抵抗を排して間接的に相手に働きかけているところがある。余談だが、ミラノ派が理解できればこの進化系であるフィンランド発のオープンダイアローグの理解も容易だ。

 ミラノ派は、普通の対話だけでセッションが可能で、催眠を使う必要がない。もちろん、使いたければ、使えばよい、というだけの話だ。このあたりでエリクソンの催眠とミラノ派の介入を混ぜて使う方法について書いた。



   当然、家族療法なので、家族の構成員の複数を同時に相手にすることが可能だ。ただ、ここではセラピストが一人、クライアントが一人という設定で行われている。

 6分ほどのセッションだが、ミラノ派の要素がコンパクトにまとまっている感じで非常に良く出来ている。

 標準的なやり方として、このあたりを参照。ポイントは、中立、仮説指向、円環的因果関係の3つ。それで、

・課題から始める

・問題を定義する
    (現在、過去、未来)×(違いの明示、同意/非同意、意味/説明)

・家族のメンバー振る舞いのシーケンスを明示する
 (現在、過去、未来)×(違いの明示、同意/非同意、意味/説明)

・比較、分類する
 (現在、過去、未来)×(違いの明示、同意/非同意、意味/説明)

・介入する
 (現在、過去、未来)×(違いの明示、同意/非同意、意味/説明)

 とやっていく。ただし、上の映像ではすべて網羅はしていない。

 ここでは、円環的質問をどこで使っているのかがこの映像の見どころになるだろう。

7月20日の進捗、1584ページまで(全体 2,648ページ、進捗率 59.8%)


Volume IV
INOVATIVE HYPNOTHRAPY

Correcting an Inferiority Complex
Milton H. Erickson Unpublished manuscript, 1937-1938



お知らせ:

ミルトン・エリクソンの本質を突き詰めたから分かったことがあります。

 組織のパラドクスを解消し、組織の認識、行動の変化を支援する、
「変化・創発ファシリテーション」のオンデマンド、オンサイト講座を開始いたします。

詳細は、こちらから。


(つづく)

文献
[1]http://ori-japan.blogspot.jp/2017/01/collected-papers.html


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